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いま×薩摩vol.1

歴史から今へ

私は明治維新150年の事業に携わるようになって3年。

着物や和のものが好きだということから、歴女のイメージを持たれることが多いが、実は高校も大学も理系で、日本史を専攻したことは一度もない。

幕末・明治維新については、ほとんどこの事業に関わるようになってから学んだといっていい。正直、本当に何も知らなかった。

かつては明治維新と言えば、「黒船、文明開化、西郷さん、大久保さん、あ、篤姫で小松帯刀って出ていたな。」という程度の知識だった。事業を進めていくうえで、必要であるからと関連することを学び始めた。ところが知れば知るほど、面白く、また、現代にも通じる部分が多いことがわかった。例えば、郷中教育のシステムや「義を言うな」の本来の意味、お雇い外国人の存在など。それまで私がイメージしていた“ただ古い昔のこと”という時代劇のような世界とは異なり、とても先進的かつ柔軟な考えを持つ革新的な薩摩の姿を知ることができた。今まさに求められているものが150年前には存在していたのではないかと思った。

当時、彼らは150年後にこのように語られるとは思っていなかったはずで、私たちだって、思ってもいないことが100年、150年の後に語られる可能性を持っているはずだ。

単純に知識として学ぶのではなく、目まぐるしく変化する今こそ、かつての事例のひとつとして参考に出来れば、私たちの未来の可能性はさらに広がりをもつのではないだろうか。

これまで、全く歴史と関わることのなかった私はこのような形で、歴史から学び、今を生きることにまで考えを巡らせるようになった。明治維新150年の事業との出会いこそが、私にとってはまさに維新なのかもしれない。

いま×薩摩vol.1

森永愛美

NPO法人かごしま探検の会スタッフ

鹿児島市出身。鹿児島大学水産学部を中退後、さまざまな職を経験。鹿児島市の事業である美味のまち鹿児島薩摩美味(ぅんまか)維新では関係イベントにボランティアで従事したほか、貸切電車を使用したイベント『星空電車』の企画を行った。県世界文化遺産課の臨時職員を経て、現在のかごしま探検の会のスタッフとなる。主として明治維新150年関連事業を担当。「明治維新とかごしまみて歩き」ホームページやFacebookでの情報発信、明治維新関連のイベント運営を行っている。また、かごしま文化情報センター(KCIC)の伝統芸能スタッフも兼任。団体への取材も積極的に行う。

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