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いま×薩摩vol.5

大河への想い

2008年大河ドラマ篤姫が放映される半年ほど前くらいの出来事である。とある旅番組の収録で、宝塚出身の女優さんが我が社の前を歩いていた。周りをたくさんのスタッフに囲まれながら、颯爽と歩く姿に見とれていた事を覚えている。

まだその時は、目の前にその主役である篤姫の本家があり、そこで生まれたのかもしれないという事実さえ知らないほど、生まれ育ったこの地の歴史に関して疎かった。

しかし、この篤姫の放映がそれまでの活動を見直す大きな転機となったと思う。

ドラマの魅力ももちろんだったが、歴史的な遺産や物語、そして人物を知ることによって、この街がもっている記憶の存在を知りはじめたからだと思う。

それから少しずつ勉強嫌いな自分も、恵まれた環境の中で自然とその記憶に触れる楽しさを覚えはじめた。いつのまにか南洲門前通りの景観計画に携わるようになり、この春からいよいよ運用が開始される。住宅、商業、観光それぞれの役割を担っているこの地区が、これからも鹿児島らしさ感じられる象徴となるようにこれからも取り組んでいきたい。

加えて、世界遺産にまで登録されるというとんでもない記憶を持った場所。さらに今度は、2018年大河ドラマの西郷(せご)どん、そして明治維新から150年でさらに脚光を浴びることとなる。いいタイミングにこの場所で過ごしているものだ。幸い篤姫のときより、少しだけ経験や勉強をしているので、できる限りの活動を続けていきたい。
まずはとりあえず、どの女優さんがロケで撮影に訪れたとしても、時間を忘れていただけるぐらいのエスコートができるように自己研鑽に励みたいものだ。

いま×薩摩vol.5

春山 亮

上町維新まちづくりプロジェクト代表

いにしえ、きずな、ものづくり、ゆめ、ひとの5つのテーマに
鹿児島発祥の地かんまちでできることからすこしづつゆるい感じで
活動を展開しているグループ「上町維新まちづくりプロジェクト」の代表を務める。

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