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いま×薩摩vol.7

 敬天愛人の精神を語り継ぐ

先日、第2回鹿児島マラソンを完走した。予想外の悪天候だったにも関わらず、私がゴールまで辿り着けたのは駆け抜けた道が果敢に生きた鹿児島の先人たちが通った道だったからだと思う。

私は鹿児島に生まれ育ち、そして今もここに暮らしている。何気なく過ごしていれば、鹿児島は日本本土最南端に位置する地域に過ぎないが、ここの歴史と文化は外から見ると非常に魅力的で、特殊な歴史や文化を持っているとよく言われる。

2018年、鹿児島は注目される。明治維新150年、それに伴って大河ドラマ「西郷どん」が放映されるからだ。鹿児島の先人を代表する西郷隆盛氏の生涯をテーマにしたこのドラマの前半部分は、彼が数回訪れた奄美群島を舞台にしていると言われている。幕末に薩摩藩からの重税に苦しみ、長年鹿児島と沖縄の狭間で生きてきた奄美の島民が社会的差別を受けてきたことをつい最近まで知らなかった。明治維新150年は、私たち鹿児島県民にとって故郷の歴史や文化を見直す大きなチャンスになると思う。私自身、ここに暮らしてきた23年、一度も訪れたことのない奄美を始めとする離島にも訪れ、感動と体験を味わいたい。

これまで断片的な故郷のことしか知らなかった私は、先日から上町タウンマネジメントに参加し始めた。上町地区には卒業した高校、祖父の自宅、そして父が経営する広告代理店がある。こんなに縁もゆかりも深いこの町のことをもっと知ることが私の最大の目的である。まちづくりに尽力する仲間の一員として、学び、知り、感じ、鹿児島の先人たちのように、この大好きな鹿児島に貢献していきたい。

いま×薩摩vol.7

山下 真里佳

上町タウンマネジメント所属

鹿児島に生まれ育ち、現在もここに生きる。大学在学中は、「もっと広い視野で異文化理解力を高める」ことを目的に、8か月のスウェーデン留学を始め、25か国の国と地域への訪問を経験。いざ外に出てみて、置かれた自分の環境や文化、アイデンティティの魅力に気付く。広告代理店に勤める側ら、自国の文化を知るために茶道・着付けのトレーニング中。

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