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いま×薩摩vol.10

維新の灯

フリーライターという仕事をしていながら、私は署名記事が苦手だ。どうも、人前に出ることに抵抗がある。正直に言うと自分に自信がない、ということなのだろう。

そんな私だが、リーダーを補佐することは得意だ。№2的な位置が好きというか、がんばっている誰かをサポートすることはやぶさかではないし、その誰かが人間として魅力的であればその人の期待にも応えたいと思う。ありがたいことに私はこれまでの人生で、人間としての魅力にあふれる方に数多く出会ってきた。特に私が住む上町地区には、地域を盛り上げたいとがんばっている方が多い。鹿児島発祥の地であり、島津家の菩提寺・福昌寺跡や西南戦争戦没者の眠る南洲墓地などがある歴史の深いこの地区は、残念ながら今、あまり活気がない。それでもこの地区に再び活気を! と、まさに現代の維新を夢見る熱量の高い人たちがいる。私はそんな人たちの背中を追いかけながら一緒に活動できることは幸せだと思っている。

2018年は明治維新から150年ということで何かと注目を浴びているが、明治維新は偉人だけでなく、彼らを「あとのことは任せっくいやい」と送りだした、縁の下の力持ち的な人たちにも親しみを感じる。きっと送りだした人たちも偉人らに負けない熱を持っていただろうからだ。私もそんな熱を持った縁の下の力持ちでありたいと思う。そのためにはまだまだ努力が足りない。その努力の第一歩とするために、この、名前も素顔も人前に出るコラムを書かせていただくことにした。私の中にもようやく維新の灯が点りだしたようだ。

いま×薩摩vol.10

おばら けいこ

フリーライター

タウン情報誌編集者から鹿児島の観光やグルメなどを取材するフリーライターに。取材の傍ら、上町地区のまちづくり活動に参加、職業訓練で鹿児島の観光概要の講義を担当することも。2017年4月より発足する大龍校区まちづくり協議会では事務局を務める。

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